旭川人のラーメン嗜好（に対する非常に偏った考察）

旭川人のラーメン感覚はちょっとおかしい。
否、かなりおかしい。

なにしろ、市外、道外から来ては「独特の」「強烈な」「かつてない」と称される「蜂屋」のラーメンを「当たり前のもの」「なつかしいねぇ」としてソウルフードとし、「天金」のあの醤油が「可もなく不可もないスタンダード」な醤油ラーメンとして育ってきているのだから。

そんでもって、今や有名チェーンとなった「山頭火」へは、「あそこはすっかりマズくなった」と手厳しい。
（創業当時は、「旭川で一番美味い」と大評判だったのにさｗ）

札幌駅にもある「よし乃」の本店に対しては「往時の見る影もない」と容赦がない。
だから、札幌の「すみれ」系味噌ラーメンに対しては、全く別のベクトルで賞味している。
何故なら、旭川人には「よし乃」の味噌ラーメンがベースにあるのだから。

＃「山頭火」最盛期の時でさえ「美味いが、味噌だけはよし乃が上」とまで言われていた。

魚・肉のダブル醤油スープと甘辛味噌スープで育成され、有名店であろうが「味の変化」に容赦無い。
ちなみに、最近全国に知名度上昇中の「梅光軒」については、「マズくはないけど、そんなに美味くもないよね」辺りの評価。
それ以前から知られている「青葉」については、「不味くなった」と酷評三昧。

え？それはお前だろう？って。
いえいえ。
俺は「青葉」はまぁ確かに味は落ちたけど、美味いと思うし。「よし乃」だって、代替わり直後は悲惨だったけど、最近は随分マシんなったしフツーに美味いと思う。
「山頭火」だって、へたな店で食うぐらいなら、よっぽどここで食った方が確実性高いと思ってる。

よくよく考えると、旭川の人間の好きなラーメンってのは「いまだかつて味わったことがない」というオンリーワンのインパクトに左右されているのだと思う。
だから、チェーン展開などはじめようものなら、たちまちのうちに「マズくなった」と酷評にさらされる。

人口35万に、アホみたいな数の店がひしめいているから（旭川は、ラーメン店の人口比率割合が日本一とか言われている）、ちょっとでも「失点」をつけると、瞬く間に評判はガタ落ちする。
人口が札幌などの大都市圏、首都圏ほどいるわけじゃないので、いわゆる「ロングテール」が無いから、マズい店は瞬く間に駆逐されていく（いまだ旭川でラーメン屋として営業を続けてるってのは、不人気店だろうがある意味で一定の評価をかちえてるということだ）。
いや実際、首都圏でラーメン食ってて「旭川なら、この店とっくにつぶれてるな」ってラーメン屋は多い。

そもそも「全国的に見てかなり異様」な味の「蜂屋」なんかを、「当たり前に」食ってるから、いわゆるスタンダード・オーソドックスなラーメンに対しては、すこぶる評価が低い。
なにしろ「いまだかつてないインパクト」が好きなんだもの。
「伝統の味をとことん追求」したって、「ふつー」、よくて「まぁ、悪くないね」ぐらいの感想しか返ってこない。

「札幌味噌ラーメン」の名店系に対しては、「しょっぱすぎる」「味噌が薄い」のどっちかにしか感じない。

塩ラーメンの名店があまり無かったので、「塩ラーメン」そのものに対しての相対評価が低い。

加藤製麺のちぢれ麺がデファクトスタンダードなので、いわゆる「ストレート麺」は「麺が物足りない」。

「東京系」の「あっさりラーメン」は、ぶっちゃけ「スープが薄い」。

かといって「二郎」なんかは「脂くどくて食えたもんじゃない」

九州とんこつラーメンなんて、市内で出す店ほとんど無い（今はあるらしいが、昔は１つもなかった）ので「よくわからない」。
旭川で、「とんこつ」系のラーメンが認知されたのは「山頭火」以降で、だからコテコテの九州とんこつは、思い描く「ラーメン」の座標軸の対極に位置している（でも、だからといって嫌いなわけでもないが、好きってのの意味が違う）

つけ麺文化が全く無いので「つけ麺」食わせりゃ「スープ無いの？」と物足りない。

そして極めつけが、内地からの観光客が、旭川人にとってみれば「ふつー」「どーってことない」「うまくねぇよ」って評価の店で「美味い美味い！さすが北海道！！」的に感激してるのを、「お前ら、普段不味いラーメンしか食ってないんだな」と内心軽蔑して見ている。

ああ、書いててなんだかイヤになってきたなｗｗｗ

まぁ、そんなわけで俺含めて「旭川人」のラーメンに対する評価基準ってのは、なんだかちょっとおかしい。
言葉良くいえば「ご当地ラーメンが有名」なエリアの中でも、とりわけ「偏った」嗜好の持ち主が多いし、手厳しい人が多い。
しかも、旭川市外のラーメン屋の口コミ的な評価に対しては「おかしいんじゃねぇの？」と内心思ってる人が多い、はず。

ようするに「旭川人の市外ラーメン屋に対する評価は、市外人にはアテにならない」

それが本日の結論ｗ