NHKドラマ「その街のこども」
NHKの阪神淡路大震災15周年ドラマ「その街のこども」を観た。
被災後、神戸を離れ東京に暮らしていた2人が、たまたま(逆ナンを契機に)知り合って。
夜の神戸の街を、2人が延々と歩きながら、抱えていた心の中の被災の記憶を語り合うというドラマ。
主演は森山未來と佐藤江梨子。
キャストは徹頭徹尾、この2人だけ。
夜の街を歩き続ける男女、交わされる会話。
そういうシチュエーションが昔っから大好きな俺にとっては、「震災」というテーマ抜きでも充分に楽しめる内容だったのだけれど。
それに加え、夜の街を歩く途上で眺める光景、そこに重なる「あの日」の記憶・・・・。
そして近づきすぎもせず、微妙な距離のまま「来年の再開」を誓って別れる2人。
そして「その時間」
追悼慰霊の会場で静かに手を合わせる彼女。
明け始め、人通りの出てきた路上で腕時計を見つめ、また歩き出す彼。
凄い。
演出、脚本、演技、どれをとっても実に良い。
久々に「本当に面白い」と思うドラマを観た。
凄いよこのドラマの完成度は。
いやぁ、NHKはさ。
日中にやってた「お涙頂戴」演出の追悼特番なんかやってる暇があるんなら、こっちのドラマを流すべきじゃないのか?
日曜の23時からひっそりと放映するような、そんな程度の内容じゃないよこのドラマ。
これは本当にいいドラマだった。
多分、おそらく近日中に再放送するんじゃないかな?かな?かな?
というか、NHKは絶対これを再放送すべきだ。
「震災がどーのこーの」ってのを前面に出す必要もないぐらい、1つの「ドラマ」として高い完成度をもっているんだから。