iPhoneに対抗できるのはAndoroidであって、Windows Mobileではない
ずっと、Windows Mobile系のスマートフォンを使っていて、このたびiPhoneを買った。
iPhoneの何が素晴らしいとか、魅力とかについては、もうあっちこっちで言及されているので、わざわざここで繰り返して書くこともないけど、一言だけ「気持ちいい」。
こんなに使っていて気持ちの良いデジタル機器は久しぶりだ。
もちろん、iPhoneの「ダメ」なところもあるけれど、「気持ちよさ」がそれに勝ってしまう。
Windows Mobileの「ダメ」なところは「仕方がないと我慢して渋々」という感じだったけど、iPhoneの場合はあまりそういう感じがしない。
我ながら不思議なものだなぁと思う。
ところで、Windows Mobileといえば、今年の秋に「6.5」が、来年には「7」が登場する。
なんでも「7」は「iPhone対抗」のOSになるらしい。
けれど、思うのは「Windows MobileはiPhoneの対抗馬にはなれないだろう」ということ。
実はiPhone購入前、Android携帯であるドコモの「HT-03」の実機も少し触ってみた。
他にもWindows Mobile機である「HT-01」も。
Androidについては、これからどんどん他キャリアからも端末が登場するだろうし、インターフェイスもどんどんこなれていくだろうけれど、現状ではまだ「荒削りだな」という印象だった。
でも同時に「将来が楽しみだ」という、期待感も抱いた。
うん、悪くない。
結局、iPhoneにしたことからもわかる通り「今、買うならiPhoneだな」という評価だ。
でも来年にはどうなっているかわからない。
今回、2年縛りの分割でiPhone買ったから2年は使う覚悟だけど、2年後には俺はAndroid携帯を買ってるかもなー、と思う。
一方、「HT-01」はWindows Mobile機としてはおそらく現在、最も高性能のCPU(1GHz)を搭載し、東芝独自に改良したインターフェイスを搭載した意欲作だったけれど。
正直「やっぱ、こりゃダメだなあ」と。
とてもiPhoneの「競合」たりえないのだ。
そこかしこに「Windows Mobileのクセ」のようなものが散見され、それを無理矢理厚化粧でごかましているような感じ。
もっとつきつめていくなら、それは「WindowsCEのクセ」であり、言ってしまえば「Windowsのお作法」であり。
実際のところ「MS-DOSに根源(ルーツ)をもつOSの宿命」のようなものだ。
どこまでGUIで取り繕っても、そのシステム全体に漂うのは「MS-DOSプロンプトの呪縛」とでもいうべきものだ。
一方、iPhoneにしても、Androidにしても、そういう「過去の呪縛」から自由だ。
スマートフォン用のOSとして、インターフェスイスレベルから設計されている。
だからそこには「過去から受け継がれた作法」の臭いはない。
その「しがらみのなさ」が「気持ちよさ」につながっている。
だからこそ、iPhoneに対抗できるのはAndroidしか今の段階では無いと思う。
Windows Mobileは「Windows」の名を冠する限り、どこまでユーザーインターフェイスを再構築しても、やはり「コマンドプロンプトの遺伝子」が流れている。
過去との資産互換性という「しがらみ」(それは同時にWMの強みでもあるはずなのだけれど)から自由にならない限り、これら「純スマートフォン」のOSには、ユーザーインターフェイスレベルで対抗できるはずがない。
だから、Microsoftが本気でiPhoneに対抗しようと思うのなら、それはもはや「Windows Mobile」という名称であってはならない。
全く新しく一から設計された、画期的なOSである必要がある。
けれども、今のMicrosoftにその英断が下せるとは思わない。
「Windowsの遺伝子を受け継がない」モバイルOSを世に送り出すことは、Microsoftという企業の根本、アイデンティティの否定につながるからだ。
Windows Mobileは「Windowsファミリーである」ことが強みだし、スマートフォン市場にはそれを求めるユーザー層が存在している。
けれど、そのユーザー層はおそらくiPhoneを求めるユーザー層とはほぼ重なることはない。
だからWindows Mobileは「Windowsである意味」を求めるユーザー層をターゲットにするべきだし、iPhoneに「対抗」しても意味が無いと思うのだけどなあ。
【参考記事】:Microsoft、2つの「Windows Mobile」を推進か?(ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/24/news039.html