STELLA仮店舗☆はてなブログ

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ソフトバンクの逆襲(というか「おごれる au」)

これが怖かった。
しかしやりやがった。
当然の戦略だと思う。

前のステージ


MNPを控え、携帯市場は今確実に次のステージを迎えつつある。
前のステージでの勝者は、確実にauだった。
「着うた」「音楽配信」で先んじ、3G対応も優位に立ち、そしてGPSというほぼ独占的なコンテンツを投入して、一気にそのプレゼンスを拡大した。


一方、vodafoneの最大の失策は、先手を打ちながらも日本の携帯事情に英国本社が疎かったことにある。
写メールという、今では当然の機能を業界に先じて打ち出しデファクトスタンダード化した実績にもかかわらず、3G化の遅れ、ブランド変更による料金体系の混乱。
様々な要因で常にサービスは後手、後手にとまわり、常に「後追い」にまわった。


そして「首位ドコモを追撃する2社」の3大キャリア体制は「au VS ドコモ」の2大キャリア体制へと移行し、市場におけるボーダフォンのプレゼンスは低下の一途をたどった。


しかしソフトバンクは、訪れる新しいステージに「Yahoo!」という巨大、かつ膨大なユーザー数を誇るコンテンツを前面に押し出してきた。
(奇しくも、同日にBREW版のWindows Live Messengerが登場したのは興味深い。)


どうでもいいサービス拡充に突き進むau

自分は長らく au ユーザーだが、最近のauの戦略には常に「??」と疑問符がつきまとっていた。
以下に例を挙げる。

高額/低品質の「LISMO」と「着うたフル」

auが最も力を入れている「着うたフル」、LISMO音楽配信事業については「バカじゃないの」と正直に思っている。
何故、あのような高額/低品質のものを普及させなければならないのか?
ユーザーをバカにするにもほどがあるが、事業がそれなりに堅調なのは、それだけ「バカなユーザー」が多いということだ。
バカがだまされて高い金払う分には構わないが、そのせいで他のサービスが疎かになっては困るのだ。

一度も聴いたことの無い「EZ FM」

「EZ FM」なんてのもあるが、既にこの機能を搭載した携帯を2機種利用しているが、いまだに一度もこの機能を使ったことなど無い。
そもそも地下鉄通勤で、いつFMを聴けというのか?

見たい番組の無い「EZチャンネル

最初のうちは面白がって幾つかのチャンネルを登録してたが、わざわざ映像で見る必然性の無いどうでもいい内容、つまらない番組ばかりで、飽きるのにそう時間はかからなかった。
それでも一応、面倒くさくて購読のままにしていたが、その内容の質に全く比例しない巨大なファイルサイズが内蔵メモリを圧迫し、2度と利用することは無かった。今も無い。

利用者皆無の「Hello Messenger

今利用している「W41CA」には、いわゆるP2T(プッシュ・トゥー・トーク)である「Hello Messenger」なるものが搭載されているが。これなど、起動すらしたこともない。
そもそも、メッセンジャーは周囲に他に利用する相手がいなければ全く無意味なんだが、周りのauユーザーでこれを利用している人間を一人として俺は知らない。

ゲームばかりの「BREW

その一方、BREWによる「ソフトウェア開発制限」は、ロクな携帯アプリが揃わないという不毛な状況を生み出している。
ゲームばっかり続々登場するが、実用的なBREWアプリは皆無だ。
一方、iアプリではユーザー主導で実用的なアプリケーションが続々と登場し、いつもそれを垂涎の思いで横目に見ている。

帯に短し襷に長しの「Google

Googleがトップメニューから利用できるようになったのは、久々に明るいニュースだったが。
それとて、以前のトップメニューの方が、EZ Webサイトを探すにはGoogleよりも遥かに効率的だった。検索した結果をクリックしたら実はiモードサイトだという事がしょっちゅう起こっている。
これではなんのためのGoogleなのか、全く理解に苦しむ。
率直にいって、現在のGoogleの実装のされかたは「改悪」にしかなっていない。

魅力皆無の端末ラインナップ

そして、俺的にはたいして使いもしない機能の拡充にばかり明け暮れると、当然そこから生み出される「端末」そのものも、そちらの方向にウェイトを置いたものとなる。
この夏も、秋も、auの新携帯で「欲しい」と思った端末は1つも存在していなかった。
それが証拠に、秋モデルが発表された翌々日、自分は「春モデル」である「W41CA」を購入した。


おごれるものは久しからず

前のステージでvodafone/J-PHONEに対して抱いていたのは「ガキの携帯」だった。
つまり「どうでもいい小手先、見てくれの機能ばっかりで中身がスカスカ」という事を揶揄したイメージ。
一方、auに対しては「先端技術、PCとの高い親和性」というイメージだった。


面白いことにこのイメージは、いまや完全に逆転してしまった。


auによる苛烈な追撃によって、トップの慢心から目が覚めたドコモと。
戦略の失敗により、再び企業売却の憂き目にあい再起をかけるソフトバンク
その狭間にあって現在のauは、あまりにおごりたかぶり、慢心しているように見える。
「おごれるものは久しからず」。


ソフトバンクの逆襲、ドコモの対抗策。
それがいずれも魅力的に見える。
それに対するauに、いまだ「魅力的」と言えるサービスは1つも無い。


あるステージの「成功体験」が、次のステージでは全く通用しないどころか。
戦略を見誤れば、悲惨な状況になることはvodafoneが実証してくれた。
そして、これは俺の勝手な予想だが、auは今の戦略を突き進む限り、次のステージでは敗者となる公算が高い。
少なくとも俺自身の心は、次第にauというキャリアから離れつつある。



auMNPにより「シェア奪還」を加速したい意向だが。
auへの乗り換えが容易」になるMNPは、同時にauを見限りやすくする」仕組みでもあるということを彼らは忘れているのではないのだろうか?